ダーク・ナイト


いってまいりました。ダークナイト。いつもどおり豊島園ユナイテッド・シネマのレイトショーで。

脳髄に絡みつくようなジョーカーの演技。前評判どおり最高の出来栄えです。上映時間の2時間半。まったく緊張感が途切れなかった。

命を懸けて演じたヒース・レジャーのジョーカーは今まで見た悪人の中でもっともサイコで凶悪でした。

ダークナイト ジョーカー

親子連れで安心して観れる娯楽映画じゃ全然なくて、善と悪の問題を突き詰めたオトナの映画。舞台はティム・バートンが描いたゴシック調のゴッサムシティではなく、現代NYを舞台にしている。そして理想の社会を作り上げるための悩みと葛藤を描いている。まさしく(自称 世界の警察)今のアメリカの話。

このジョーカーってやつは何にもないやつで、なんにも信じない空っぽの人間。そんな難役をヒースはまるで、そこにいるようにリアルに演じきってました。あの、しゃべるときのクチャクチャって音がジョーカーの口臭まで漂ってくるようでキモかったです。
ビルから笑いながら落ちていくシーンはなんかナウシカのミラルパ(だっけ?)を思い出しました。このダークナイトで、もっとも傑出していたのはノーランとヒースが究極の悪を映像化に成功した点に尽きるんじゃなかろうか。

ジョーカーが投げかけてくるのは「あんたは本当に善人か?善なんてものがそもそもあるのか?」ってメッセージ。ジョーカーのメッセージはバットマンやアーロン・エッカート演じる新任の地方検事ハーベイ・デント、そして観客に向けられる。

今回の重要な制作コンセプトだった「悪と戦うという大義名分のために、人はどこまでモラルや人権を無視していいのか?」ジョーカーはそれぞれの人物がもつジレンマを巧みについた状況を用意してきます。

ダークナイト バットマン


秩序に身を置きながら自警団として秩序を破らざるを得ない矛盾を抱えたバットマンも、そのジレンマに悩む。そして世界がカオスに叩き込まれるのを心の底から望みながら、秩序という世界の枠組みそのものが崩れてしまうと「ゲームを楽しめなくなる」という矛盾を抱えたジョーカー自身もジレンマがある。だからバットマンを殺せない。

冒頭でも書いたようにダークナイトの制作コンセプトは、今のアメリカの悩みに通じるんじゃないかと思ってます。ノーランが出し結論は、アメリカには汚れ役と虚像が必要であり、結局世界はジョーカーがいうように欺瞞であふれているってことなのかな?ちょっと自信ない。


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